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■ 【平和活動】テニアン島・ハゴイ空軍基地 折鶴奉納プロジェクト 2009.10.28

まず折鶴を奉納させていただく場所の一番初めにさせていただいたのは
サイパンから北西に船で一時間ほどの場所にあるテニアン島。
テニアンは、小さな南国。伊豆大島よりちょっと大きいくらい。
人口は3000人、うち失業率は7割。働かなくても、山のフルーツなど
で食べていけるそんな、のんびりとした島です。
いらないものやあ無駄がない。シンプルに生きる島。
この島へ奉納に向かったのは、CCT協会、立川含め7名。
(AKKO、HEBI、CHIKA、SATOKO、MARIKO、SAKI…ありがとう!)

朝からのとても長い移動にくたくたになりながら、島に到着すると、
島民は、ただいま選挙戦に白熱中。殆ど車も走っていない島ですが、
看板を背負った車が、ときおり元気に走り去っていきます。
これもまた仕組みが面白く、共和党・民主党など、夫婦が違う政党を
支持していたら、別居しながら応援するという。
そして負けてしまった政党は、役所が全部入れ替えになり役所を
勝った政党へ明け渡し、全員クビになってしまうそう。
だから、島民の皆さんは選挙ほんとうに真剣に考えています。

そして、住む人のことをしっかりと考えているなあとも。
55歳以上は老人ホームで暮らすことが出来て食事から何から
全部出してもらえます。サイパン島は、停電や断水がとても
多いのですが、テニアン島は少ないんです。
ただ、ひとつ問題があって、電気代が本当に高いそう。
エアコンかけない、コンセント抜く、テレビ見ない、水シャワー
・・・ここまで徹底した節約をしても、200ドルの電気代が
かかるという。また、七割の失業率の中、お子さんやお孫さんが、
アフガンなどの兵役で稼いで、家計を助けているそうです。

現地のガイドの方には、沢山の島事情を教えていただきました。
そんなお話を聞きながら、私たちはハゴイ空軍基地に向かいます。
舗装されている道路が少ないので、ジャングルを進んでいきます。
道の脇にはタガンタガンの木がいっぱいです。
基地の中に入ると、長さ2600M幅60Mの長い滑走路がありました。
これがエイブル滑走路です。ここを走っていると、なんとも
いえない気持ちになりました。
きっと一緒に奉納に向かったみんなもそうだったと思います。

ここから日本各地への空襲をするために
沢山の飛行機が飛び立ちました。全ての空爆の拠点だったのです。
あの広島、長崎への原子爆弾もこの基地から運ばれました。

その中心にある、原爆ピットに、折鶴を奉納させて戴きました。
(車の後ろにある台形の形をしているところが広島のピットです)
殺伐として何もない記念碑に、みなさんで折った折鶴を
手向けました。モノトーンの記念碑にきれいな色を添えました。

10色の鶴に祈りをこめて、もう誰の涙もみることのないように。

長崎の原爆ピットも少し離れたところにありました。
8月になると、仕方がないことなのですがこのあたりでは色々な事件が起こります。
昨年は、長崎のピットに車が突っ込んで、このピットが大破してしまいました。
それを、地元の方々は修復費として30000ドルを自分たちでかけて
この長崎のピットを修復してくださいました。長崎の為にありがたいです。

防空壕や、トーチカ、古い神社・・・
日本軍の司令部など、ここにはたくさんの戦跡がありますが、
やはり見ていると、どれだけの思いと犠牲の上に私たちが生きているのだろうと
そう考えると、ひとりひとりの命の重みを実感することができます。

言葉や文字にしてしまうと、あまりにも伝えきれなくてとてももどかしいのですが。
ありふれた言葉、あまりにもよくある言葉で本当に申し訳なくもなりますが、
やはり、奉納した鶴に添えた、この言葉ひとつだけにつきます。

もう、誰の涙もみることのないように。
誰もが、それぞれの幸せを感じながら
心からの笑顔で生きていくことが出来ますように。